「ラ・フランスを買ったけれど、いつ食べればいいのか分からない」——これは、私たち農園に最も多く届くご質問です。ラ・フランスは、りんごや桃と違って収穫した時点ではまだ食べ頃ではない果物だからです。
この記事では、ご家庭で食べ頃を見分ける方法と、贈り物としてお贈りするときに気をつけたい時期の合わせ方をまとめました。
書いているのは、山形でさくらんぼ・桃・ぶどう・ラ・フランスを育てているアンスリーファームです。さくらんぼの品評会では農林水産大臣賞を3度いただいております。同じ畑で、同じ考え方でラ・フランスも育てています。
ラ・フランスは「追熟」してから食べる果物です
ラ・フランスは樹の上では完全に熟しません。収穫したあと、一定期間置くことで果肉がなめらかになり、香りが立ちます。これを追熟と呼びます。
硬いまま食べてしまうと、本来の香りとなめらかさをほとんど感じられません。「思ったより美味しくなかった」という感想の多くは、食べ頃より早く召し上がっているケースです。
食べ頃を見分ける3つのサイン
- 軸のまわりを見る — 軸の付け根に小じわが出て、まわりがやわらかくなってきたら近づいています。ここが最も分かりやすいサインです。
- おしり(軸の反対側)をそっと押す — 指の腹で軽く押して、わずかに沈むくらいが食べ頃です。ぐっと沈むようなら熟しすぎです。果肉が繊細なので、強く押さないでください。
- 香りを確かめる — 顔を近づけたときに甘い香りが立ってきたら、食べ頃に入っています。
色は品種や個体によって変わりにくいため、判断材料にはなりません。色ではなく、軸まわりのしわ・おしりの弾力・香りで判断してください。
追熟を早めたいとき、遅らせたいとき
早めたいときは、常温(20℃前後)で新聞紙に包んで置いてください。りんごと一緒に袋に入れると、りんごの出すエチレンガスで追熟が進みます。
逆に、食べ頃が来たけれどすぐに食べられないときは、冷蔵庫の野菜室へ移してください。低温で追熟の進みが緩やかになり、数日ぶんの猶予が生まれます。

贈り物にするときは「届いてから何日で食べ頃か」を伝える
ラ・フランスを贈り物にするとき、最も多い行き違いが「届いてすぐ食べてしまい、硬かった」というものです。せっかくお贈りしても、これでは本来の味が伝わりません。
お贈りになる際は、ひとことでかまいませんので「あと数日置いてから召し上がってください」とお伝えいただくのがおすすめです。私どもから直接お届けする場合は、食べ頃の目安を同梱してお送りしています。
また、お届け日を指定される場合は、お渡ししたい日の3〜5日前にお届けするよう手配すると、ちょうど食べ頃で召し上がっていただけます。
ただし、輸送中の温度によって追熟は進んだり止まったりします。日数はあくまで目安とお考えいただき、食べ頃は同封のしおりに記載された日付を目安にしてください。
さくらんぼ受賞園地が手掛ける、アンスリーファームのラ・フランス
ここまでは一般的な見分け方をご説明しました。ここからは、私たちの畑の話です。
私たちがいちばんに評価をいただいてきたのは、さくらんぼです。
- 山形県さくらんぼ『佐藤錦』品評会 農林水産大臣賞を3度(平成29年・令和2年・令和3年)
- さがえ西村山さくらんぼ『佐藤錦』品評会 最優秀賞(山形県知事賞)を平成27年から6年連続
さくらんぼは、収穫の時期を数日読み違えるだけで味が変わる果物です。その見極めで評価をいただいてきた同じ人間が、同じ考え方でラ・フランスを育てています。畑も、手も、判断の基準も同じです。ラ・フランスの追熟の話を私たちが書くのは、そのためです。
アンスリーファームは山形県で、さくらんぼ・桃・ぶどう・ラ・フランスを一年を通して栽培している果樹農園です。若手が中心の農業法人で、園地を毎年広げ続けています。
ラ・フランスは、私たちの栽培暦のなかで最後に収穫を迎える果実です。さくらんぼから始まった一年が、ラ・フランスで終わります。だからこそ、追熟の見極めには特に気を配っています。
私たちは、7日間追熟させてからお送りしています
ラ・フランスは10月上旬に収穫し、冷蔵庫で予冷したのち、11月初旬から出荷が始まります。冷蔵庫から出して常温に戻してから、本来の食べ頃までは約2週間かかります。
産地では、冷蔵庫から出した直後に出荷されることが少なくありません。追熟が進んで柔らかくなると出荷前のロスが増えてしまうためです。ただしその場合、食べ頃の見極めはすべてお客様に委ねられることになります。「買ったけれど、いつ食べればいいのか分からない」というご質問が多いのは、このためです。
早めに収穫して早めに出荷したほうが、傷みも輸送中のロスも少なく、扱える量を確保しやすくなります。また、産地の名前でまとめて売られる場合、味の評価は「今年は良かった」「今年は出来が悪かった」と年ごと・産地ごとに語られ、作り手ひとりひとりには返ってきにくいという事情もあります。
その結果、硬いまま召し上がって「洋梨は硬くておいしくない」という印象を持たれてしまうことがあります。私たちは、これがいちばんもったいないと考えています。ラ・フランスは、食べ頃さえ合えば、香りも舌ざわりも他の果物では代えがたい果実です。
私たちは出荷前に約7日間追熟させてから発送しています。お手元に届いてからお待ちいただく時間が、その分短くなります。
さらに、食べ頃を逃していただかないよう、同封のしおりに余裕を持った食べ頃の日付を記載しています。届いてすぐに1玉召し上がる方も多くいらっしゃいますので、その点も考慮して追熟の具合を調整しています。
収穫の時期は、木を一本ずつ確認して食味で判断しています。暦や見た目だけで一斉に採るのではなく、その年の天候に左右されながらも一定の品質に揃えるための、いちばん地道な工程です。
収穫から検品まで、すべて人の手で行っています。洋梨は必ず1個ずつ扱い、一度でも落ちたものは出荷しません。桃は両手で包んで下に引く——果実を傷つけないための決まりが、果物ごとに細かくあります。
アンスリーファームのラ・フランス
ご家庭用・ご贈答用ともに、洋梨(ラ・フランス)の商品一覧からお選びいただけます。ご贈答にはラ・フランス 特秀品がおすすめです。